■ぶどうの豆知識
【日本の巨峰の歴史】
巨峰は、昭和初期の1945年に福岡県の田主丸において、大井上康氏によって生み出されました。
戦争の混乱で生み出されてからしばらくは日の目をみませんでしたが、昭和32年に耳納山中の土地で
本格的に栽培が始まりました。
実をつけたぶどうはとても大きなつぶだったのと、耳納山で生まれたとの意味をかけ『巨峰』と
名付けられました。当初は、実が大きいので離れやすいという理由から輸送が難しかったので、
お客様に巨峰を摘み取りに来ていただく『巨峰狩り』という方法が生まれました。
【世界の巨峰の歴史】
ヨーロッパぶどうは6000年以上の旧い歴史を持ち、カフカス地方から地中海東部沿岸地方の地域で
栽培が始められ、ぶどう酒造りも始められたとされています。
その後、ギリシャや西ヨーロッパにも伝えられ多くの地域に広まっていったとされています。
北アメリカでは200年程の歴史ですが、多くの野生種がありました。しかし、栽培され始めたのは
後のことで、ヨーロッパぶどうが持ち込まれ、カリフォルニア州で栽培が始まりました。
【巨峰のいいところ】
・注目のポリフェノール
数年前のワインブームで有名になった『ポリフェノール』。よく聞くようになった成分ですが、
どの様な効果があるかご存知でしょうか?
ポリフェノールは白系よりも赤系のブドウの皮や種に多く含まれており、活性酵素を消化する働きがある成分です。生活習慣病の予防や、白内障の予防、肌の老化予防にも役立つと言われています。
皮にも栄養があるということで、是非一度皮ごと召し上がってみてはいかがでしょうか。
・その他体にいい成分
体に良い成分はポリフェノールだけではありません。
他にも多くの成分が含まれています。例えば巨峰には皮の部分にレスベラロールという成分が含まれており、
ポリフェノールと同様にガンの予防に効くと言われています。
巨峰の果実にも栄養が多く、ブドウ糖やビタミンB1が含まれており疲労回復などに効果があります。
また最近では、ペンタペプチドという物質の脳の機能を改善することのできる働きに注目が集まっています。
【巨峰が王様と呼ばれる理由】
巨峰は『ぶどうの王様』と呼ばれているのはなぜでしょうか?
理由はいくつかあります。まず、巨峰の大きさや外観です。巨峰はとても大きく、黒紫色のつややかな実を
しています。そして、糖度の高い甘み、食感もよく香りが上品なことから日本人好みだといわれています。
色々な面で優れている巨峰だからこそ、いつまでも『王様』と呼ばれているのです。
【ぶどうの色の仕組み】
ぶどうには赤いぶどう(巨峰など)と黄緑のぶどう(マスカットなど)があります。
もともと黄緑のぶどうの品種イタリアがあり、その突然変異で出来たのが赤いぶどうのルビー・オクヤマが
できたそうです。
詳しく調べてみると、それら二つのぶどうの遺伝子には、赤い色素の「アントシアニン」という合成を誘導する
遺伝子があることが、最近発見されました。
しかしなぜ黄緑ができたかというと、イタリアにはこの遺伝子をふさぐような配列がDNAに入り込み
邪魔していたからです。この結果イタリアは赤くならず黄緑になったというわけです。
この仕組みがわかった今、近いうちに着色を制御する技術ができ、温度がたかくても色が悪くならない
ぶどうができるかもしれません。
【外観について】
粒の表面ですが、張っていてみずみずしくブルーの濃い色をいている巨峰が新鮮です。
また大きさが揃っているものは、栄養も均等になっているのでおいしいでしょう。
巨峰の表面には『ブルーム』と呼ばれる白い粉がついています。これは巨峰の糖分が外に出てきて
固まってしまったもので、ブルームが多くついている巨峰ほど甘みがありおいしいと言われています。
【味について】
巨峰の甘みは房の上にいくほど甘く、下にいくほど酸味が強いのです。
よって一番下の方の実を食べて甘く感じたら、そのフサ全体が甘いということになります。
試食をする時は、この方法でどれがおいしいかがよくわかります。
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